労働相談から

あなたの仕事がなくなるから退職を

はダメです!

Aさんは産業廃棄物を処理するB社に勤務。廃棄物用袋の縫製の仕事に従事していました。Aさんは一昨年から無視や職場での人間関係の切り離しなど、経営者の指示ではないかと思われるパワハラを受けてきました。昨年9月、AさんはB社から縫製の仕事が廃止されるからと退職の打診を受けました。他の部署に配置換えされると勤務時間が大幅に減少し、生活が成り立たないという不安もあり、やむなく口頭で退職に同意しました。

しかし、Aさんは内心では納得がいかず、個人加入の労働組合CUの存在を知り、昨年11月に相談に来ました。組合では「仕事がなくなるからやめてくれ」は使用者としての責任放棄。仮に雇用が継続しても、勤務時間が大幅に減ることも明らかな不利益変更になると、会社に団体交渉を申し入れ、雇用の継続と契約書どおりの労働条件の履行を求めました。

昨年12月の団体交渉では、B社は「Aさんは年末での退職を表明していたので、退職の手続きを進めていた。本人が雇用継続というのであれば、退職の表明は撤回したものと考える。」と、労働契約通りの勤務時間にすると回答しました。組合からは、本人の障害にも配慮した仕事を与えるように要請しました。

Aさんはこの回答を受け、職場に出勤し、新たな仕事についたものの、周囲の雰囲気が冷ややかだと感じ、体調を崩して、出社が困難に。組合はAさんと相談の上、出勤は困難と判断。退職届を提出しました。

その後、Aさんの生活問題解決のため、居住地であるC市の市議会議員と連携。C市の生活保護の担当課に相談し、生活保護を申請。ひとまず生活が成り立つことになりました。組合では、Aさんは高齢であることから、今後の生活状況にも注視します。