2023年度の課題と方針(第9回定期大会議案書から)

「非正規労働が4割の時代」、労働環境の悪化が続いています。一人でも加入できる労働組合はますます必要になっています。女性労働者の非正規雇用の過半数を超えての増大、その低賃金の構造、格差・差別の横行に対しての闘いなどを急速に強めることが課題になっています。

 

課題と方針

1,広がる個人加盟労組の役割と可能性

経済活動を市場原理に任せ、資本の利潤を最大化させるための新自由主義は、コロナパンデミックスによって破たんが明確になりました。

今、人間らしい雇用・労働を求める運動は、労働組合の役割であり、個別労使紛争に対応する個人加盟労組の役割と可能性は広がっています。

そうした中での、CU三多摩の組合活動の役割は、①一層深刻化した「雇用危機」で困難を抱えた労働者への対応(支援)を強化し、②「地域からの信頼」「頼りになる組合としての評価」の定着させる、③「労働組合OBや自覚的な支援者」の結集と労働者の団結(組織化運動)つながり、地域労働運動の「推進力」となり、④公契約適正化運動や「雇用・仕事確保」などの共同の運動、最低賃金の引き上げや雇用の安定などの運動に取り組む力を強めます。

 

2、CU三多摩協議会の取り組み

「非正規雇用が当たり前」「集団的労使関係から個別労使紛争」へ雇用や労使関係が大きく変化してきた中で、憲法11条の「基本的人権の享有」13条に「個人として尊重、最大の尊重」とあるように個人の尊厳を守る取り組みが求められています。そして、雇用と労働環境がコロナ禍によって一層悪化し、個人の尊厳が踏みにじられる状況が広がっています。「個人の尊厳」「個別労使紛争」を正面から受け止める労働組合の取り組みが求められています。

地域に軸足を置くことは、組合への結集を求める活動や労働相談の窓口を地域に置いて、地域の諸団体や市民との連帯を拡げる「地域ユニオン」としての役割であり、業種別や企業単位の「産業別労組」との役割の違いを示すことになります。

地域に軸足を置くことで、地域の中で組織化を促進し団結権(憲法28条)を訴えます。また、労働者個人の尊厳・権利を守る活動を通して、市民との連帯を広げます。そして、労働者の団結と市民の連帯を促進し、その運動拠点を地域に置くことになります。

地域に軸足を置いて、地区労働組合、民主団体、市議などと協力共同の取り組みを進めます。そして、相互理解を深めるため、そうした諸団体との懇談と協力の体制を作ります。厚生荘病院を守る会、厚生荘病院賃金裁判、ハンセン病資料館不当解雇事件の支援も行っていきます。

 

3、いのちと暮らし、平和を守るたたかい

非正規雇用が当たり前という雇用状況の中で、1日8時間働けば普通に暮らせる社会の実現や働くルールの確立が求められています。そのためには全国一律最低賃金制の確立と最低賃金1500円の早期実現が引き続く重要な課題です。そして、雇用形態や性別での賃金差別をなくし、再雇用や高齢者の低賃金を是正します。自治体に「雇用・労働問題」の窓口設置をするなど、労働行政の拡充を求めます。

貧富の格差が、空前の規模で拡大しています。税制は応能負担の原則を強化し、最悪の不平等な税制、消費税は廃止を求め、憲法を暮らしに生かし、平和と生活を守ります。

 

4、労働相談の強化と組織拡大を柱にし、CU東京3000・三多摩500を

現在の労働組合運動は、集団的労使紛争から個別労使紛争へ大きく変化したことで、「個別労使紛争」に対応する「地域ユニオン」の役割と期待が大きく広がっています。

そのための相談体制の強化が強く求められています。

相談体制は、11名となっています。相談体制の強化のために、現在取り組んでいる「労働講座」を成功させ、定期的に相談員の育成学習会を取り組みます。同時に育成には相談や交渉の経験を積み重ねることが必要です。

2023年度のCU三多摩の拡大到達目標を330人組織実現とします。今年度は全力でその目標達成を目指します。

CU三多摩の活動を発展させ、地域に根付いた活動を進めるには地域との協力・共同が必要です。CU三多摩の労働相談活動を知ってもらい、組合への結集を進め、組織を確立することが、一人一人の相談者の要求に応えることにつながることを伝えるために懇談活動を取り組みます。

 

地域での組織確立と分会活動の取り組み

地域に分会を設立することは、多くの地域住民の身近にCU三多摩を示すことになります。市民に対して労働相談解決の窓口が身近に存在することになります。そして、分会づくりは新たな組合の活動家や役員を作ることになります。

設立には、一定の組織数がある事と幹部役員が複数名必要です。この点を追求しつつ、今年度も現在の2分会活動を前進させることと併せて、新たな地域に根差した新分会設立を目指します。

 

②組合員の交流と青年・女性活動の支援を図ります

昨年度もコロナ禍で、様々な組合員間の交流や学習が取り組めませんでした。多くの組合員が交流することが組合の団結と連帯を作ることにつながります。そして、学習会に参加し発言することで活動を行う決意が作られます。

今年度は様々な学習・交流会を取り組むことを目指します。そして、参加者から相談員や活動家へ育成を進めます。女性の活動の支援を進めながら、女性活動家の掘り起こしを行います。

今年もコロナの感染問題も考慮しながら「新春のつどい」、「春の花見」「拡大交流会」「支部活動者会議」などに取り組みます。

 

5、宣伝・ホームページの活用と機関紙活動

今年度は定期的な駅頭宣伝の再開、ホームページの活用と充実、機関紙活動の強化に取り組みます。宣伝活動では、立川駅頭での宣伝を最賃宣伝行動として取り組みます。そして、京王線と西武線の分会駅頭宣伝行動を再開させます。

ホームページを充実させるために定期的な情報の更新に努めます。

機関紙活動では、昨年に続き毎月機関会議で掲載内容を検討し、紙面の充実を図ります。そして、全組合員への郵送を本部機関紙「こみゅーと」を同封とその時々の重要取り組みのお知らせを行います。

 

6、機関会議の強化と専従活動体制の強化を

組合の活動強化には組合員が運動に参加することが重要です。その活動の基本となるものが機関会議です。学習を重視した機関活動を進めます。

この体制を持続的に強化するには、専従者役員体制が必要です。CU東京には23区に11支部と三多摩協議会があります。23区の各支部のほとんどは事務所を区労協や区労連に置いており、財政的にも依拠しています。中野支部、豊島支部を除いて、多くの支部には専従的役員がいて、労働相談にも対応して組織拡大にもつながっています。

今後の三多摩協議会の前進、500人の組織の実現と労働相談活動の充実を図るうえで、専従役員体制の強化が重要です。また、新たな役員の拡大が急務となっています。CU本部での三多摩協議会の規約上の位置づけの整備と支援体制の強化を求めていきます。

 

7,CU東京の共済制度と全労連共済

CU東京は、入院共済、慶弔共済、組合活動事故見舞金の自主共済を運営しています。

また、全労連共済と協力して、①交通災害共済②個人加盟共済③自転車共済に加入推進しています。また、組合の福利厚生事業として、東京ディズニーリゾートの利用補助(補助金額1,000円)のサービスをCU東京組合員、家族に提供しています。利用券は、組合員一人年間5枚を上限とします。

 

8,財政活動について

安定した財政の確立

組合運営の土台を構成している財政活動では、組合費は現在ほとんどの組合員について自動振替制度を取っています。

事務所の家賃は、水光熱費負担で昨年6月から3万5千円の定額に変更されています。解決金のカンパについては、解決金の10%を基準に要請しています。

今後の組合活動を展望して、500人の組合実現に向け、多くの組合や諸団体に協力を求めるとともに、①CU三多摩への賛同団体確保、②組合員や支援者への定期募金などを呼び掛け、財政の確立強化を進めます。

 

②組合費の内訳

イ、70歳未満の一般組合員の組合費(2000円)の内訳。

組合費1000円(支部組合費500円)、共済費1000円(入院、交通・労働組合事故見舞の共済、慶弔、福利厚生、事務費などを含む)となります。

ロ、70歳以上の組合員及び協力組合員(二重加盟等)の組合費は1000円です。

支部組合費500円、本部組合費300円です。共済費は交通共済、慶弔費、福利厚生、事務費等200円です。入院共済はありません。

 

③現在の組合活動に対する財政補助

現在のCU三多摩の組合活動に対する財政補助は、以下の通りとなっています。

イ、執行委員会と4役事務局会議は、交通費と会議手当て合計2000円支給する。

ロ、団体交渉については、交通費実費と行動費用として1000円を加えて支給する。

ハ、定期大会参加者への会議手当て、1000円を支給する。

二、分会への補助金として、月1人当たり100円支給する。