労働相談より②

雇用の無期転換と障がい者への合理的配慮などを確認

A社で清掃作業に従事しているYさんは、同一の事業所で7年間に渡り、有期契約で働いてきました。今年度に入り、配属先の管理職B氏から、業務量の増を打診され、応じなければ今後の契約更新はないと言われました。

Yさんは増えた業務をこなそうと努力しましたが、どうしても時間内では追いつかず、度々、契約時間をオーバーしました(残業手当未払)。Yさんは、体力的にも精神的にも困難を感じ、B氏に相談しましたが、取り合ってもらえず、組合に相談に来ました。

Yさんの要求は、業務量を以前の状態に戻してほしいというものでした。また自分が精神障がい者であることを明らかにしましたが、A社に精神疾患で通院していることは伝えていませんでした。

2回の団体交渉で 

団体交渉にあたって、A社への組合の申し入れ事項は〇Yさんの業務量を変更以前に戻すこと、〇本人は精神障がい者であり、障がいに配慮した業務量とすることでした。

団体交渉でA社は、現在のYさんの業務量は、通常の人であれば契約の時間内で十分にこなせるものだとしましたが、精神障がい者であることをA社として承知していなかった。障がい者への合理的配慮の提供に基づいて、対処したいと答え、その後「本人の担当業務を以前の業務量に戻す」「本人の負担軽減などのために責任者が作業方法を指導する」「作業時間をオーバーする場合は、未作業分を責任者に報告し、所定時間で終業とする」と回答してきました。 

第2回団体交渉では、〇残業代の未払分の清算、〇配転を本人の同意なく一方的に行わない、〇Yさんの主治医との面談をへて、合理的配慮をした業務量の判断を行うなどについて双方で確認をし、合意書をかわすことになりました。また、Yさんは同じ事業所で7年就業しており、有期雇用から無期雇用への転換についても申し出。交渉の場でA社側から承認書がYさんに手渡されました。