労働相談解決しました
研修費の退職時 15 万円天引き、 「労基法 16 条違反」と撤回させる
Aさんは都内の大手の警備会社で、学校警備に 従事していました。Aさんは、就労後すでに 5年 以上経過し、2年前に無期限雇用になっていまし た。しかし本年 3月の入札で同学校の警備を他社 が受注。勤務場所の変更が提起されましたが、通 勤に 2時間以上かかるため退職し、転職。 最後の給与が支給された際、給与から以前に受 講した警備業務に関する研修費用 15 万円が天引きされたと相談を寄せました。会社の言い分は 「受講料は総額で 24 万円だが、受講前に3 年以 内に退社した場合は全額返金するという上申書 を提出している。今回退社したので一部天引きし た」というのです。
組合は、これは本人の了解なしに給与から控除 することを禁じた労基法第 24 条違反であり、あ らかじめ違約金を求める上申書は労基法第 16 条 違反で、まして受講は就業時間内であることから、 請求は違法と申し入れました。
結果として会社から「15 万円は返金する。残 額についても求めない」との回答があり、返金さ れました。その後、退職金も支給されました。 今回の問題は、以前取り組んだ看護学校の学費 にお礼奉公を求めるものに似ていましたが、違っ ているのは勝手に天引きした点と研修の受講が 就労時間内で労働の対象となっていたところで す。申し入れで早期に解決した事案でした。 (三宅 記)