和解解決-会社清算の企業と

通勤災害で労災適用中に解雇!

 M社に勤めるSさんは帰宅途中に駅階段から転落。頭がい骨骨折、腰部打撲など負傷をしましたが、通勤災害の労災手続きがなかなか行われず心配になり、知り合いの組合員を通じてCU三多摩に相談がありました。

 Sさんの通勤災害(労働災害)は、合理的な経路及び方法での通勤途上での事故であり労災保険法上、保障されるのが当然の権利であり、団体交渉以前の問題であるとして、組合はすぐに労災の手続きをするよう会社に申し入れをしました。結果、遅れながらもきちんと手続きが行われ、休業補償の給付もスムーズに行われました。

会社清算・解散でも、労働者への誠実な説明と誠意ある協議は当然の責任!

 労災適用の相談中、残業代と割増賃金の不払いの問題もあると分かりましたが、ケガの回復状況を見ながら、団体交渉をすすめる検討をしていました。が、M社が解散・清算をするとの情報が寄せられ、急遽「本人は無期雇用の労働者であり、労働災害で休業中だが職場復帰に向けて懸命に治療している最中であり、労働者に対してより丁寧な説明をするとともに今後についても誠実な協議・対応が必要。また、残業代の未払いについても早急な支払いを求める」として団体交渉を申し入れました。団体交渉で、会社は「解散・清算であり社員全員退職という事なのでSさんにも退職を求める」と回答してきました。組合側は、退職を前提とした回答に対して「会社の解散・清算という状況にせよ実態としては無期雇用労働者の解雇と同様であり、誠実な事前協議や生活保障の必要性」について強く主張。第一回目の交渉は平行線となり合意に至りませんでしたが、双方とも協議の窓口を閉めずに引き続き解決に向けて誠実に交渉を続けていくことを確認。会社の解散日程が決まっている困難な条件の中でしたが、その後の2回の交渉・協議の結果、M社からも和解案がだされ解決金での合意となりました。