コンビニ・フランチャイズ店の閉店と解雇問題
【労働相談より】
〇私の雇用はどうなるの?
Aコンビニ店に勤務しているBさんから、昨年10月、店が年明けの1月末にフランチャイズ契約が切れるが、オーナーは更新する意思がないようだ。その後の従業員の雇用はどうなるのかという相談がありました。オーナーからは従業員に1月以降についての説明も情報提供も全くないため、組合は今後のBさんの処遇について、団体交渉を申し入れました。
〇閉店・廃業後の再就職先の確保を要求
年末にオーナーの委任を受けた、C法律事務所の弁護士から、コンビニ本部はA店を閉店とする方針で、雇用を承継する可能性はないと連絡がありました。
組合は従業員への事前説明もなく、閉店の1か月前に解雇通告を行うなど、雇用主としての説明義務を果たしていないことを指摘。➀Bさんの再就職先をコンビニ本部などに要請して確保すること、②再就職先が確保できない場合は年次有給休暇の未消化分相当の金額と通常の賃金の6か月分の支払いを要求。
〇団体交渉では要求にまともに答えず
第1回の団体交渉の冒頭、オーナーから、閉店に至る経過の説明がありました。その上で➀Bさんの再就職先は、本部にも要請したが条件に合う店舗はなかった。②年休の未消化分の支払いには応じるが、通常の賃金の6か月分の保障には応じられないというものでした。
組合は今回の解雇が廃業に伴う整理解雇であり、解雇手続を尽くしていないと指摘。残された期間、再就職先の確保を優先し、だめなら6ヵ月分の賃金支払いは当然として、あらためて検討するよう強く求めました。
〇第2回交渉で若干の上積みを得て妥結へ
閉店後に行われた交渉でも、オーナー側は、前回の回答を繰り返しましたが、組合は廃業を決めた昨年9月に今後のことを説明していれば今日のようなことにはなっていない。オーナーの責任が問われていると改めて追及。休憩をはさんで、オーナー側は若干の上乗せをすると回答。その後、Bさんと共に検討し、今回の回答は長年にわたり献身的に働いてきたBさんの貢献に報いるには程遠いが、オーナーの生活状況や健康状態から、これ以上の上乗せは困難と判断し、妥結しました。
―上記コンビニで働いていたBさんの手記―
整理解雇。閉店の一か月前にそれを言われました。閉店の三カ月前、店の様子がおかしいことに気付き、CU三多摩に相談。おかげで雇用主から有給休暇買い取りと慰労金がもらえました。失業手当が貰えるまで二カ月近くかかり、そのお金を生活費に回せました。今後、コロナ後の息切れ倒産が増えると思います。CUの皆さんの活躍に期待しています。ありがとうございました。