労働相談より

1 、過酷な「行政のごみの回収業務」の相談

会社は未払い賃金の支払いに応じる

「行政の下請けで、夏の炎天下、冬の凍てつく寒さの中、過酷な家庭ごみ等の回収業務を行っている。会社に言っても改善されない。また、朝8時から16時まで、昼休みもなく仕事をしている。」との相談が、組合に寄せられました。また、会社の都合で、給与支払い日の変更の通知が一方的にあり、困っているというのも。労働基準法は、『使用者は、従業員の労働時間が6時間を超える場合は45分以上、8時間を超える場合は 1 時間以上の休憩を労働時間の途中に与えなければならない』(労基法第 34 条)と定めています。
また、賃金支払については、『賃金は毎月1回以上、期日を決めて支払わなければならない』という原則もあります。
AさんとBさんが組合に加入し、組合と共に団体交渉を行い、未払い賃金や職場環境の改善を求めました。会社は、「重大な労働問題が生じたことを真摯に受け止め、遺憾の意を表し、今後このような事案が発生しないよう対処すると表明。又、今後、就業規則や労働時間の適正な把握などについて、適正に運用、記述する。」ことを確認し、未払い賃金の支払いに応じました。

2、 (株)K社での懲戒及び雇止め事件

勝利的和解で解決

K社はお酒の店舗販売と飲食店や顧客への配達販売を行う会社です。SさんはK社に勤めて3年の契約社員でした。問題の発端は、有給休暇を取得したことにされ、なおかつその有休を取得したとされた日は出勤した日だったこと。この勝手な処理を誰がしたのかと疑問に思い、本社人事部に対応を求めたことでした。
最初に『誰がいつ、どのように不正を行ったのかを明らかにするよう』に求めたのは2022年11月で、その後何度か明らかにするように求めてきました。ところが、2024年5月、本社人事部に呼び出され、本社人事部に電話した際に『罵倒した』ことについて出勤停止1日の懲戒処分を受け、そのあと5月末をもって雇止めの通知を受けました。
Sさんは、解雇通知を受けた直後に組合に相談、組合加入。聞き取りのなかで、K社では有給休暇の違法な処理以外にも、通行許可証の不正使用やずさんなアルコールチェック、社員を大切にしない体質などが明らかになりました。また、Sさんは契約社員ですが3カ月契約を12回も更新しており、契約更新の期待権が極めて高くほぼ無期雇用に該当する状況でした。そして、雇止め理由にはすでに懲戒処分を受けた暴言などが含まれており、一事不再理の原則に反するものでした。
組合はK社に団体交渉の申し入れを行い、本人が職場復帰を求めていないことから、相応の解決金を求める立場で交渉を行いました。
K 社指定の代理人弁護士との事前協議を行う中で、12回の更新は期待権が高いことや有休処理が違法であったこと、労働法への無理解があった点などは認めました。その後、7月に団体交渉を行い、代理人弁護士と協議を繰り返す中で、解決金の額を引き上げると同時に懲戒処分の撤回、会社都合の退職でも合意しました。そして、本年11月下旬に合意書を交わすこと
ができました。本人も納得する解決を見ることができました。