CU東京活動者会議に参加して思うこと

 10月8日CU東京の活動者会議で、「いま、地域から個人加盟ユニオンの前進が求められているー運動の新たなステージへ。集団化への模索」と題して、労働者教育協会の江口健志さんが話をしました。

本講演の眼目は「いま、なぜ個人加盟ユニオンが大切なのか」「個人加盟ユニオンの社会的役割を広い視野から考える」「個人加盟ユニオンがぶつかっている壁。それをどう乗り越えるか」の3点でした。

講演は、「貧困」、新自由主義、企業別組合の限界の視野からなされました。

1、ユニオンの新たなステージへ

(1)企業別組合の限界を超えて

そのためにとして、職場での集団化、職種別結集、横断的な賃上げ闘争、社会保障闘争、社会運動的労働運動を挙げられました。ユニオンの新たなステージへの方向性が得られたと思いました。この取り組みを実行して組合員を増やそうと思いました。

(2)「任重く道遠し」ではあるが、地道にすでに、取り組みを始められているとのこと。

「すごいなあ」と心中、拍手を送りました。教訓として、非正規、周辺的正社員の積極的要求が強かったこと、仕事への誇りを挙げました。仕事への誇りが賃金要求に対する怒りとなっているという。

(3)企業別組合の組合員、経営者の意識を紹介します。

ある意味で、この発言が、企業別組合の限界を、おのずと語っていると思うのは筆者一人のみでしょうか。

筆者が、企業別組合の一員であったころの労働運動の状況は、争議行為、とりわけ、ストライキ回避の風潮が強まり、右からの反共の労働運動一本化の動きが加速していました。統一労組懇が活発な動きをしていました。

・会社役員は労働組合の幹部であった人がほとんど(入社して早々、組合活動しないかと誘われた。)
・労働組合活動を経験していないと経営者になって、労働者の気持ちがわからない。(何故一所懸命組合活動をするのですかとの問いに答えて)

・組合活動をおおいにやってくれ。理解しているから。(入社式にて)

・組合が会社に協力しないと会社は発展しない。(顧客の会社の労働者の発言)

昨今、トリクルダウンだとか、「賃上げのお願いを政府としてもお願いしたい」などと聞いたり、見たりすると、あまりその頃と変わっていないのかなあとも思います。

いまは、個人加盟の労働組合ユニオンがある。個人加盟ならではの組合を作り、個人加盟ならではの組合活動を展開している。ユニオンは、深き川の流れとなっていると感じます。

(4)ユニオンという言葉を初めて認識できたのは「管理職ユニオン」です。

解雇された管理職が、解雇撤回を求めてそのユニオンで戦っている姿です。

ユニオンが取り沙汰され始め、経営者が恐れをなしたのか、ユニオン対策として、経営者向けのセミナーが多数開催されたと聞きました。

聞いたこともない労働組合が「○○ユニオン」と名乗り、団体交渉を申し込んでくるので、組合員であるのか確認のため、組合加入書を提示してと言われたこともあったそうです。

2、地域から個人加盟ユニオンの前進

―産業別労働組合を触発する地域労働運動、地域ユニオン

横断的な闘争として、地域最賃運動など様々な職種の労働組合が地域に結集。その力を生かして社会運動的労働運動の展開を。

3、個人加盟のユニオンが抱えている困難

事件解決で終わることが多く、集団化が困難な個人加盟ユニオン。課題として「集団化」を挙げていました。そのとおりだと思いました。

集団的組織化の三つの道①職場組織②職種別結集③地域の仲間など、どの道を通り、どの道を太くするか、地域の仲間とどう連携するかなど、

これも、「任重くして道遠し」でありますが、頭を下げてばかりではいられない。家族を形成できない賃金水準が蔓延しているからですと話されました。

4、仕事に誇りを持ち、自己実現と幸福追求、個人の尊厳を阻害しているものへの怒りが、労働者の組織化へと向かうのは、必然であります。一例をあげれば、非正規労働者自身の主体化、ユニオンの、地域から最低賃金行動。

この講義にとても、励まされました。     執行委員 IK 記

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