障害者雇用正常化の意義
朝日生命の障がい者雇止めとの
たたかいの意義について 執行委員会で学習
2024年11月10日、第二回執行委員会で、タイトルの中身で学習会が行われました。講師は朝日生命訴訟代理人の一人である白神優理子弁護士です。
白神弁護士は初めに、「障害者を差別することは法律で禁じられている」と、障者関係の法律の成立過程に言及しました。
2006年に国連で採択された「障害者の権利条約」は「障害に基づくいかなる差別もなく、すべての障害者のあらゆる人権と基本的自由を完全に実現することを確保すべき」としました。
さらに、労働.雇用の分野では①雇用に係る全ての事項について、障害による差別を禁止、②公平良好な労働条件、安全で健康的な作業条件、苦情に対する救済についての権利を保障、③職場において合理的配慮が提供されることを確保するために、適当な措置を取るべきとしています。
障害者関連国内法の整備
日本でも『障害者権利条約』の批准のために、国内法を整備します。まず、障害者基本法が改正され、①差別の禁止、②社会的障壁の除去が謳われました。続いて、障害者差別解消法(障害者差別禁止法)が制定され、障害を理由とした差別の解消促進についての基本事項を定めました。そして、2013年障害者雇用促進法が改正されました。
障害者雇用促進法
障害者雇用促進法は事業者に①募集・採用についての差別の禁止、②障壁を解消する合理的配慮を講じることを義務付けています。
朝日生命訴訟の意味とその意義
今回の朝日生命事件は、有期雇用労働者に対する休職命令、雇止めを行ったことに対し労働審判の申立てを行ったもの。
休職命令は「真実就労が不能な状況にあると主治医及び産業医の診断があり、かつ就業規則等に定められた手続きに則って行われた場合にのみ有効であり、本件の場合主治医は合理的配慮があれば即日就労可とした診断書を提出しており、無効である。雇止めも、合理的根拠がないと話されました。
最後に白神弁護士は、本事件労働審判申立の意義は①休職命令と雇止めによる被害の救済を図ること、②障がい者雇用について、申告した障がいを理由とする雇止めが許されれば、およそ障がい者雇用は成り立たなくなることについて、警鐘を発することにあると述べました。