私たちを取り巻く社会情勢

≪6月四役・事務局会議より≫
1)春闘 物価高騰に追いつかず
大企業の春闘回答は5~6%台のベースアップとされていますが、この間の物価高に追いつかない水準で、実質賃金の前年比マイナスが続いています。中小企業の従事者や非正規雇用にはベアすらありません。
2)雇用の劣化が蔓延、労基法改悪も
非正規労働者の増加、細切れ・スキマ労働が広がり、外注化・アウトソーシングといった請負労働も進行。雇用の劣化が蔓延しています。その上、厚労省は労働基準法を改悪、特に労働時間規制を骨抜きにしようとしています。
3)「人手不足倒産」「後継者難の廃業」が深刻
需要はあっても人材育成が十分にできず、事業が継続できないという問題も深刻です。
長期間続いて来た労働者の使い捨て、権利の侵害が労働市場に禍根をもたらしています。これらの対策、とくに中小企業への対策は急務です。公正公平な取引のための指導や監視、使い勝手のよい助成金や有利な融資制度の拡充など、政府や自治体が本腰になって取り組むべき課題です。そうすれば雇用環境も向上します。
4)最底賃金改定めぐる動向
日本商工会議所が最賃引き上げ議論に関し、4月に「中小企業の動向を踏まえて検討するべきだ」という要望書をまとめ、最賃引き上げを牽制する態度を表明しています。
一方、日本弁護士連合会も同月に声明を発表。「フルタイム労働者賃金の時間換算額は1500円を大きく超えている」「物価動向を踏まえ、昨年実施された引き上げ額(全国加重平均1055円)は低すぎる」と指摘、中小企業の社会保険料の負担軽減も提言しています。
政府や石破首相は産業別特定最賃の検討を打ち出しました。地域最賃より介護分野を高めに設定する考え方を示しています。
5)東京の公契約条例の制定が前進
東京の公契約条例の制定は17自治体に広がり、特別区では15区と、多数派です。公共事業で働く賃金が底上げされることで、民間にも波及し、全体の賃金相場形成に影響が及びます。