最低賃金問題について学習
C U三多摩地域本部
2025年度第2回執行委員会で
2025年11月9日 2025年度CU三多摩地域本部の第2回執行委員会が開催され、秋の拡大月間の取り組みなどが話し合われました。 高市首相の自維政権は、選挙で示された物価高・景気対策としての「消費税減税」に背を向け、自民党の敗北の原因となった裏金問題も不問に付しています。労働者を働かせ放題にする「時間外労働の上限規制緩和」の動き、さらに日米首脳会談でアメリカに大軍拡を約束するなど、国民に背を向けた政権になっています。
10月には最低賃金の引き上げが答申されましたが、1500円には程遠く、賃金引き上げの実施日も各県バラバラで、来年四月実施という地域も出てきました。賃金格差が拡大します。
こうした情勢の中、執行委員会では東京地評事務局次長中村修一さんを招いて、最低賃金についての学習会を行いました。
【学習会から】
最賃は最低限度の文化的な暮らしを送る保証
1、今年の最低賃金は
①運動の力で、全国で1000円を突破
東京地評は、1000円突破のために署名や駅宣や学習会など、努力をしてきた。1000円突破は成果だ。しかし、生活実感からはとても低い金額。
②新たな最賃の発効日にずれ
地域間格差、発効日格差も広がる
今回の最賃実施には大きな問題がある。それは、実施日がずれたこと。10月1日は栃木県一県のみ、東京10月3日、12月発効8県、1月4県、群馬県3月、秋田県は年度末となった。秋田県は半年賃金引き上げ効果が遅れ、その間951円に据え置かれ、格差が増す。経団連の意に沿った。
③マスコミも批判
最低賃金法第一条は「賃金の低廉な労働者について、賃金の最低額を保障することにより、労働条件の改善を図る」としている。発効の遅延・先送りは労働者保護と生存権保障を目的とする立法趣旨から逸脱するとマスコミも批判。
2、最低賃金とは
①地域別最低賃金
最賃法は第9条で、「低廉な労働者について、賃金の最低額を保障するため、地域別最低賃金を全国各地域について決定されなければならない」としています。
②『特定最低賃金』もある
・特定の産業または職業について設定される。
・関係労使の申し出で、最低賃金審議会の調査を経て決定される。
・産業別最低賃金を下回る場合は賃金全額払原則違反となる。
中村氏は、介護職などのエッセンシャルワーカーについて、この特定最低賃金の設定が求められると指摘。
3、求められる生計費補償
①最低賃金は最低限の生活給ではない
文化的なくらしを送る保障
東京地評では、若者の生計費調査を行い、全国一律1500円の要求を掲げてきた。自公内閣も2020年代に1500円を実現すると言ってきた。しかし、現状の低レベルの引き上げ額が続いては実現できない。しかも、既に1500円は生計費に足らなくなっていると指摘。
東京でさらに、生計費調査をして、文化的で最低限度の生活には2000円必要だという。昼食費が500円では賄えず、インターネットなども利用できなければ社会ともつながれず、仕事にも支障をきたす。
そもそも最低賃金は、最低限の生活給ではない。休みの日には友人と出かけたり、飲食をしたり、映画や旅行にも行ける。そうしたことを保障できる賃金でなければならないと言う。
10月3日から、東京の最低賃金は時給1226円となった。しかし、現実の生計費の6割しか保障されない。
労働者の生活が余暇も楽しめ、日本経済にも資するために、時給2000円の最低賃金保障は待ったなしの課題ですと締めくくった。
コメの値段は高値で安定し、物価高騰は治まるところを知りません。労働者の暮らしを守るため、団結して、一日も早く、全国一律で最底賃金2000円を実現しましょう。
最低賃金改定の流れ
中央最賃審議会へ諮問⇒調査審議⇒答申⇒
地方審議会へ諮問⇒調査審議⇒答申⇒異議申し出の審議⇒決定⇒決定の公示⇒効力の発生