旅で見た世界の事情-4
ダーウイン進化論の島 ガラパゴス諸島へ
今回の旅は100日間で22の国・地域を巡る旅でした。寄港地ではそれぞれの文化や風光明媚な景色も多数ありました。ニューヨークでは本場のジャズライブやミュージカル鑑賞などを楽しみ、アフリカやアラスカの雄大な大自然にも圧倒されました。
旅のメインはユネスコ自然遺産第一号に登録され、チャールズ・ダーウィンの進化論で有名なガラパゴス諸島と地球上全ての生物種の5%が生息し、領土の四分の一以上を国立公園自然保護区とする環境先進国で、1948年に軍隊を無くした国コスタリカです。
ガラパゴス諸島へはニューヨークで飛行機に乗り換え、エクアドルまで10時間、翌日2時間かけてバルトラ島へ。そこからボートで拠点となるサンタクルス島に到着。遠かった・・・。
その日はホテルに近い、ダーウイン研究所でガラパゴスゾウガメの生態を見ました。
ゾウガメは環境によって甲羅の形が変化しています。山があり、雨が降り、植物が茂り、食物が豊富な所では亀の甲羅は穏やかな球形をしていますが、数キロしか離れていない、環境の違う島では、サボテンの葉など高いところにある食物を取るために、首の周りの甲羅などが変形しています。まさに、進化です。
三日目、無人のサウスプラザ島に。サボテンの陰にイグアナが多数いるイグアナ天国でした。
四日目は、「ガラパゴスの森再生プロジェクト」に参加。外から持ち込まれた外来の動植物が急速に広がっていました。
皆さんもコーヒーを飲むと思います。普通の生産帯は高度1800mくらいと言われていますが、ここでは1000mにも満たない場所でコーヒーが生産されています。管理は大変だそうですが、おいしいコーヒーでした。地元高校生と一緒に苗木を植えてきました。もう行くことは無いと思いますが、大きく育ってほしいと思います。
五日目は、無人島のノースセイモア島へ。イタバカ海峡のクルーズ船乗り場で待っている間、上空で多くの鳥たちが旋回しています。なんとなく眺めていると次々に海に突っ込んでいます。魚を取っていたのです。普段見ることができない光景に見とれました。この島ではアオアシカツオドリが卵を抱く様子や海・陸イグアナアシカなどがみられました。
私が見たかったのは、グンカンドリ(写真)で、羽を広げると1m以上にもなる大きな黒い鳥です。雄には胸に赤い袋があり、繁殖期になると大きな巣をつくり、袋を膨らませ、雌を誘います。幸いにもちょうどその巣に一羽の雌鳥が飛び込んできました。残念ながらすぐに飛び去り、カップルとはなりませんでしたが、雄は赤い袋を膨らませ続けていました。自然界もなかなか大変だなあと感じました。
ホテルの近くにある公園では、海イグアナやアシかが日向ぼっこをしていたり、夜にライトが点くとウミガメやサメエイなどが集まってきたりしました。時を忘れてみていました。
次回はコスタリカです。 宮田清志記