厚生荘病院労組のたたかい


裁判闘争大詰めに

不当解雇などとたたかいつづける11名の原告組合員

2021年12月31日に、多摩市和田にあった厚生荘病院の閉院が強行され、最後まで退職を拒否した10名の職員が解雇されました。
一般財団法人愛生会厚生荘病院は長年にわたって、高齢者医療を担い、地域の住民にとって身近な病院として診療をしてきました。2018年に※湖山医療福祉グループが愛生会の経営権を握って以来、就業規則の一方的不利益変更と大幅賃下げ、ハラスメントや病院会計からの横領などが続き、退職者が大量に発生し、病院経営は赤字になります。自ら招いた赤字経営を口実に、一方的に閉院を宣言し、寝たきりの入院患者の追い出しや職員の「希望退職」などをすすめ、閉院の2か月前から、厚生荘病院労組との団体交渉を拒否し、解雇を強行しました。
組合員全員が団結して争議を闘い続ける厚生荘病院労組は、3年以上にわたって4つの裁判(不当解雇撤回の地位確認、組合事務所使用の妨害排除、賃金引下げ問題、退職届撤回)とともに東京都労働委員会への救済申し立てをたたかっています。賃下げ問題では、高裁まで組合側敗訴となっており、最高裁へ上告中です。退職届撤回は東京高裁で、その他は東京地裁です。この間、原告の組合員11名(退職届を誤って提出し、撤回を求めている1人を含む)は、生活問題など困難な状況のなかでもしっかりと団結をして、争議をたたかい続けています。

大詰めを迎えた裁判

裁判の天王山といえる地位確認裁判は、昨年11月に証人尋問が行われ、原告の厚生荘労組側は5名の証人が、様々な角度から証言し閉院と解雇が不当であったことを明らかにした一方で、被告の湖山側の証人は、閉院当時のことを知らない人物で、「わかりません」を連発し、証言として成り立ちませんでした。このため、原告側は、あらためて、解雇が不当であったことを明らかにするため、理事長の湖山泰成氏を証人として請求し、次の審査で結論を出すことになっています。また、和解については、湖山側は和解をほのめかした一方で、金銭はびた一文払わないと言い放っているため、和解の見通しなく、判決に進む可能性が高いと思います。

現在、厚生荘病院は解体工事中 

裁判闘争の全面勝利へ厚生荘病院労組への支援を訴えます

閉院から3年間にわたって放置されてきた病院の建物は、昨年12月から解体工事に入っています。1年かけた解体工事の後は、湖山医療福祉グループは、老人ホームを作り地域に貢献すると言っているそうです。入院患者を追い出し、職員を大量解雇し、地域から医療を奪った、湖山医療福祉グループの居直りを許すことはできません。
厚生荘病院労組の裁判闘争の全面勝利に向けて、争議団を支援するとともに、湖山医療福祉グループの責任追及と、地域医療の回復を多摩市に求めていくことが求められます。


※湖山医療福祉グループ 銀座に統括本部がある介護施設などを全国的に展開している湖山泰成氏を総帥とする団体