2023年度最低賃金(国の目安)
「中央の目安答申」は生活改善と地域間格差解消に背! !
―これでは、物価高騰から労働者の暮らしを守ることは出来ないー
中央最低賃金審議会は7月28日、2023年度の最低賃金について、加重平均で1,002円、41円(4.3%)の引き上げとなる目安を厚生労働大臣に答申。引き上げ幅は、ランク別にA「41円」、B「40円」、C「39円」としています。これは従来の引き上げ幅にとどまり、さらに地域間格差を広げるものです。
物価高騰に追いつかない最賃答申
審議の中でも、全国の消費者物価の高騰をふまえて「今年度の各ランクの引き上げ額の目安を検討するにあたっては4.3%を重視した」としています。しかし、これは物価高騰を後追いするだけです。「最低賃金に近い賃金水準の労働者の生活は苦しくなっている」と言いながら、最賃近傍で働く労働者の生活改善には到底及びません。
さらに、今回は、ランク数が4から3へ変更されたものの、地域間格差は目安どおりだと、最高額が1,113円(東京)、最低額が892円(岩手県)となり、地域間格差は221円と昨年から2円広がることになります。目安どおりなら、加重平均の1,002円を下回るのは40道県にも及びます。
全労連などがとりくんだ、全国「最低生計費試算調査」の結果は「8時間働けば人間らしく暮らせる」には、全国どこでも月額24万円(時給1,500円)以上必要であることを明らかにしています。
物価高騰は低所得者ほど重荷になり、地域間格差を広げる今回の目安は、深刻さを増す労働者の生活も地域経済も改善につながるものではありません。
一日も早く全国一律1,500円を勝ちとろう
CU東京三多摩は、全労連とともに政府に対し、全国一律1,500円以上の最低賃金制度へ転換することを求めるものです。政府は、少なくとも5年以内に地域間格差の解消と1,500円以上にする決断をすべきです。一方、最低賃金の決定に向けた審議が地方最低賃金審議会で始まっています。
労働者の生活改善を前面にかかげ、全国どこでも月額24万円(時給1,500円)以上の大幅な引き上げと、全国一律最低賃金制度の確立に向けて中央・地方で奮闘していきましょう。