(1)三多摩地域での組織拡大の前進めざして
「非正規労働が4割の時代」、労働環境の悪化が続いています。一人でも加入できる労働組合はますます必要になっています。女性労働者の非正規雇用の過半数を超えての増大、その低賃金の構造、格差・差別の横行に対しての闘いなどを急速に強めることが課題になっています。
本部、第15回定期大会では、「組織の拡大強化を最大限追求します。次期大会に1950人、来年秋に2000人を超すことを目標に立て、組合結成20周年目にあたる2029年度には、3000人に王手をかけることを目指します。」こととしました。
三多摩での組織拡大の前進にとって、組合に寄せられる相談の背景からも、地域を拠点とする個人加盟労組の存在と役割がますます重要になっています。労働者がおかれている状況には、資本の横暴、競争、分断、孤立、支配と圧力、「自己責任論」の台頭の裏で、無権利状態に労働者が放棄されている事態が横行しています。また、相談解決後の脱退を防ぐ意味でも、「駆け込み寺」から定着型へ、安心して繰り返し相談ができ、励まし合える仲間との交流の機会を広げられる、組合づくりをめざします。そして自覚的参加と主体の形成に力を入れます。
1)規約改正と「三多摩地域本部」について
第15回定期大会以降「規約改訂等委員会を」立ち上げ、7回の委員会を開催してきました。また、執行委員会でも4月、5月、6月と討議を重ね、最終案を確定しました。「CU東京」規約を改訂する理由は、結成以来15年が経過し、2000名近い組織となり、規約制定時には想定していなかった事象生まれています。そうした中で①新たに規約化する必要がある問題、②現行の規約を整理する必要がある課題などが生じているので、規約改訂・機構上の改定に取り組むとしました。
また、大会の提案では、規約、第13条に「本部の位置づけを首都圏を所管するとしました。そして、三多摩地域に首都圏本部のもとに置くとして、「三多摩地域本部」を位置づけました。
これは、30の行政区を抱える三多摩地域に各行政区にもとづく支部を形成するためにそれを指導・管理する組織を置くこととなります。それが三多摩地域本部(三多摩地本)です。今後、組合費の配分など諸条件を整備し「大会後、発足させていきます。」としています。
2)三多摩地域本部発足に向けての「本部規約改正」について
第3章 組合の組織 第13条 1.この組合に首都圏全体を所管する本部を置く 2.本部のもとに三多摩地域全体を所管する三多摩地域本部(三多摩地本)を置く。 第14条 1、この組合に行政区に応じた支部を置くことができる。また、三多摩地域について地域本部のもとに行政区に応じた支部を置くことができる。 2、支部の運営は本規約を準用する。 3、業種・団体等の組合員で構成する業種協議会を補助組織として置くことができる 4、複数の行政区の組合員で構成する地域協議会を置くことができる。 5、本部に直属支部を置き、臨時に組合員を所属させることができる。 6、支部のもとに分会を置くことができる 7、組織の運営については別に運営細則を設ける |
3)三多摩地域本部(三多摩地本)の発足について
第16回本部定期大会の決定(8月23日の続会大会)に基づき、CU三多摩協議会も本大会の続会大会を9月8日に行い、三多摩地域本部(三多摩地本)を発足(通称・CU三多摩)させることとします。
(2)課題と方針
1,広がる個人加盟労組の役割と可能性
経済活動を市場原理に任せ、資本の利潤を最大化させるための新自由主義は、コロナパンデミックスによって破たんが明確になりました。
今、人間らしい雇用・労働を求める運動は、労働組合の役割であり、個別労使紛争に対応する個人加盟労組の役割と可能性は広がっています。
そうした中での、CU三多摩の組合活動の役割は、
①一層深刻化した「雇用危機」で困難を抱えた労働者への対応(支援)を強化し、
②「地域からの信頼」「頼りになる組合としての評価」の定着させる、
③「労働組合OBや自覚的な支援者」の結集と労働者の団結(組織化運動)つながり、地域労働運動の「推進力」となり、
④公契約適正化運動や「雇用・仕事確保」などの共同の運動、最低賃金の引き上げや雇用の安定などの運動に取り組む力を強め、
そのために、組織の拡大と強化を進めます。
2、三多摩地域本部(三多摩地本)の取り組み
「非正規雇用が当たり前」「集団的労使関係から個別労使紛争」へ雇用や労使関係が大きく変化してきた中で、憲法11条の「基本的人権の享有」13条に「個人として尊重、最大の尊重」とあるように個人の尊厳を守る取り組みが求められています。そして、雇用と労働環境がコロナ禍によって一層悪化し、個人の尊厳が踏みにじられる状況が広がっています。「個人の尊厳」「個別労使紛争」を正面から受け止める労働組合の取り組みが求められています。
地域に軸足を置くことは、組合への結集を求める活動や労働相談の窓口を地域に置いて、地域の諸団体や市民との連帯を拡げる「地域ユニオン」としての役割であり、業種別や企業単位の「産業別労組」との役割の違いを示すことになります。
地域に軸足を置くことで、地域の中で組織化を促進し団結権(憲法28条)を訴えます。また、労働者個人の尊厳・権利を守る活動を通して、市民との連帯を広げます。そして、労働者の団結と市民の連帯を促進し、その運動拠点を地域に置くことになります。
地域に軸足を置いて、地区労働組合、民主団体、市議などと協力共同の取り組みを進めます。そして、相互理解を深めるため、そうした諸団体との懇談と協力の体制を作ります。厚生荘病院を守る会、厚生荘病院賃金裁判の支援も行っていきます。
3、組織拡大を柱にし、CU東京3000・三多摩500の組織へ
現在の労働組合運動は、集団的労使紛争から個別労使紛争へ大きく変化したことで、「個別労使紛争」に対応する「地域ユニオン」の役割と期待が大きく広がっています。
そのための相談体制の強化が強く求められています。
相談体制は、11名となっています。相談体制の強化、相談員の増員に向け、定期的に相談員の育成学習会を取り組みます。同時に育成には労働相談や交渉の経験を積み重ねることが必要です。
2024年度のCU三多摩の拡大到達目標を330人組織実現とします。今年度は全力でその目標達成を目指します。
CU三多摩の活動を発展させ、地域に根付いた活動を進めるには地域との協力・共同が必要です。CU三多摩の労働相談活動を知ってもらい、組合への結集を進め、組織を確立することが、一人一人の相談者の要求に応えることにつながることを伝えるために懇談活動を取り組みます。
➀地域での組織確立と分会活動の取り組み
地域に分会を設立することは、多くの地域住民の身近にCU三多摩を示すことになります。市民に対して労働相談解決の窓口が身近に存在することになります。そして、分会づくりは新たな組合の活動家や役員を作ることになります。
設立には、一定の組織数がある事と幹部役員が複数名必要です。この点を追求しつつ、今年度も現在の2分会活動を前進させることと併せて、新たな地域に根差した新分会設立を目指します。
②組合員の交流と青年・女性活動の支援を図ります
多くの組合員が交流することが組合の団結と連帯を作ることにつながります。そして、学習会に参加し発言することで活動を行う決意が作られます。
今年度は様々な学習・交流会を取り組むことを目指します。そして、参加者から相談員や活動家へ育成を進めます。女性の活動の支援を進めながら、女性活動家の掘り起こしを行います。「新春のつどい」、「春の花見」「拡大交流会」「支部活動者会議」などに取り組みます。
4、いのちと暮らし、平和を守るたたかい
非正規雇用が当たり前という雇用状況の中で、1日8時間働けば普通に暮らせる社会の実現や働くルールの確立が求められています。そのためには全国一律最低賃金制の確立と最低賃金1500円の早期実現が引き続く重要な課題です。そして、雇用形態や性別での賃金差別をなくし、再雇用や高齢者の低賃金を是正します。自治体に「雇用・労働問題」の窓口設置をするなど、労働行政の拡充を求めます。
貧富の格差が、空前の規模で拡大しています。税制は応能負担の原則を強化し、最悪の不平等な税制、消費税は廃止を求め、憲法を暮らしに生かし、平和と生活を守る活動の具体化を図ります。
5、宣伝・ホームページの活用と機関紙活動
今年度は定期的な駅頭宣伝の再開、ホームページの活用と充実、機関紙活動の強化に取り組みます。宣伝活動では、立川駅頭での宣伝を最賃宣伝行動として取り組みます。そして、京王線と西武線の分会駅頭宣伝行動を再開させます。
ホームページを充実させるために定期的な情報の更新に努めます。
機関紙活動では、昨年に続き毎月機関会議で掲載内容を検討し、紙面の充実を図ります。そして、全組合員への郵送を本部機関紙「こみゅーと」を同封とその時々の重要取り組みのお知らせを行います。
6、CU東京の共済制度と全労連共済
CU東京は、入院共済、慶弔共済、組合活動事故見舞金の自主共済を運営しています。また、全労連共済と協力して、①交通災害共済②個人加盟共済③自転車共済に加入推進しています。また、組合の福利厚生事業として、東京ディズニーリゾートの利用補助(補助金額1,000円)のサービスをCU東京組合員、家族に提供しています。利用券は、組合員一人年間5枚を上限とします。
7,財政活動について
➀安定した財政の確立
組合運営の土台を構成している財政活動では、組合費は現在ほとんどの組合員について自動振替制度を取っています。
事務所の家賃は、水光熱費負担で3万5千円の定額です。解決金のカンパについては、解決金の10%を基準に要請しています。
今後の組合活動を展望して、500人の組合実現に向け、多くの組合や諸団体に協力を求めるとともに、①CU三多摩への賛同団体確保、②組合員や支援者への定期募金などを呼び掛け、財政の確立強化を進めます。
②組合費の内訳
イ、70歳未満の一般組合員の組合費(2000円)の内訳。
組合費1000円、共済費1000円(入院、交通・労働組合事故見舞の共済、慶弔、福利厚生、事務費などを含む)となります。
ロ、70歳以上の組合員及び協力組合員(二重加盟等)の組合費は1000円です。
共済費は交通共済、慶弔費、福利厚生、事務費等200円です。入院共済はありません。
③組合活動に対する財政補助
以下の通りとなっています。
イ、執行委員会と4役事務局会議は、交通費と会議手当て合計2000円支給する。
ロ、団体交渉については、交通費実費と行動費用として1000円を加えて支給する。
ハ、定期大会参加者への会議手当て、1000円を支給する。
二、分会への補助金として、月1人当たり100円支給する。
- 三多摩地域本部(三多摩地本)の発足にともなう、分会などの財政補助について
発足後、cu本部とも協議して改めて検討します。