退職強要 の 退職金未払い許さ ず !

 D社に勤めるEさんは、昨年12月に所長から「会社の車から携帯に充電した」「無免許で社用車を運転した」などと難癖をつけられ、それを理由に「明日から来るな」といわれ、退職届の提出も強要され、離職票も発行されました。
 Eさんは、不本意でしたが退職金は当然出るものと思い、2ヵ月待つも支払いがない為会社に確認すると「やめ方が悪いので100%減額だ」と支払いを拒否されました。
 そのため労基署に相談、内容証明で請求しつつも支払われず、4月にCU三多摩に相談を寄せました。
 組合は、事実上の退職強要であり、有給休暇や残業代未払等の問題もあると考えましたが、Eさん本人の「他のことを今更問題にするつもりはない。
 退職金だけはきちんと払わせたい。」という強い希望もあり、退職金未払い問題に限り要求することにしました。
 粘り強い交渉と闘う姿勢を前面に和解!団体交渉では冒頭から、組合に対し「反社会的勢力とは関係せずの誓約書署名」を求めるなど挑戦的態度で、裁判も辞さずの構え。
 退職金支払いの要求に対して、逆に「賃金返還請求」なる文書を持ち出し、「これを返すのと退職金の支給は同時だ」などと法的にも根拠のない勝手な主張をしてきました。
 組合は、「返還請求」と「退職金未払い」は別の問題であり、退職金制度が就業規則に明示されている以上、賃金と同様の請求権があるという「退職金の法的性格」を分かりやすく説明。
 専門家の意見も聞いて回答するよう要求。今後、団体交渉での解決姿勢があるのか確認。
 その後、3回に渡る交渉の結果、D社が要求金額の8割を支払うということで合意解決しました。(石川記)