労働相談ミニ知識

変形労働時間制について

1、労働時間の原則

労基法は、労働時間を18時間以内、140時間以内と定めています。これを超える労働契約は、原則無効です。

2、変形労働時間制は例外

1年単位、1カ月単位、1週間単位と、一定の期間を平均して140時間以内の定めであれば、ある日に8時間を超える労働時間(例10時間)を設定しても、その範囲内であれば割増賃金を支払わなくてよいという制度。

1)一年単位の変形労働制

1カ月を超え1年以内の期間を平均して1週間の労働時間を40時間以内にすることで、忙しい時期に1日の労働時間を長めに設定し、余裕がある時期に労働時間を短めに設定することが可能となる。

  • 導入の要件

 労使協定を結び、労働基準監督署への届け出が必須。協定の内容は、対象労働者の範囲、対象期間・起算日、特定期間、労働日・労働日ごとの労働時間及び労使協定の有効期間。また、10人以上の事業所では、就業規則に規定を設け、届けることが必要。

  • 労働日・労働時間の特定

 導入には、あらかじめ対象期間の労働日及び労働日の各労働時間の特定が必須。

〇労働日は1年あたり280日が限度。

〇対象期間における1日の労働時間の限度は10時間、1週間は52時間が限度。ただし、対象期間が3カ月を超える場合は、週48時間超は連続3週間以下、かつ3カ月ごとに区分して48時間超の週は3回までの条件がある。

  • 労働時間の総枠

 対象期間の歴日数に応じて限度となる時間の総枠を超えることはできません。限度となる時間は以下の通りです。

1年 (365日の場合)2,085.71時間

6か月(183日の場合)1,045.71時間

4か月(122日の場合)  697.14時間

3か月(92日の場合)   525.71時間 (続く)